要旨は論文で最も読まれる部分であり、単語数制限が最も厳しく執行される部分でもあります。ジャーナル要旨:150〜300単語。学位論文要旨:250〜500単語。学会要旨:150〜300単語、通常上限250単語。投稿システムは自動的に超過を却下するため、上限は提案ではなく絶対です。
投稿先別の単語数の上限
投稿先ごとに上限は異なり、その差は著者が想定するよりも大きいものです。執筆後ではなく執筆前に著者ガイドラインを必ず確認してください。
| 投稿先 | 最大単語数 | 構造 |
|---|---|---|
| Nature | 200 | 非構造化 |
| Science | 125 | 非構造化 |
| NEJM | 250 | 構造化(4セクション) |
| JAMA | 350 | 構造化(8セクション) |
| APAジャーナル | 250 | 構造化オプション |
| PLOS ONE | 300 | 非構造化 |
| CHI学会 | 150 | +30単語のティーザー |
| IEEE/ACM | 250 | 非構造化 |
| 修士論文 | 300 | 非構造化 |
| 博士論文 | 350〜500 | 非構造化 |
構造化要旨と非構造化要旨
構造化要旨は明示的な小見出しを使用します。最も一般的なパターンはIMRaD(Introduction、Methods、Results、Discussion)です。内容が一覧しやすくなるため、生物医学系ジャーナルがこの形式を好みます。JAMAはさらに進んで8つの小見出し(Importance、Objective、Design、Setting、Participants、Intervention、Main Outcomes、Results、Conclusions)を使用します。
非構造化要旨は同じ要素を流れる散文として表現します。物理科学、人文系、コンピュータサイエンス、その他大半の非医学分野で用いられます。小見出しが予算を消費しないため、上限は構造化要旨より50〜100単語低いのが一般的です。
含めるべき内容
構造化・非構造化を問わず、すべての要旨は同じ4つの要素を持ちます。違うのは各要素にどれだけ字数を割くかだけです。
- 背景・問題(1〜2文): なぜ重要か、論文が埋めるギャップは何か。「重要性がますます高まっている」という陳腐な書き出しは避ける。
- 方法・アプローチ(1〜2文): 実際に何をしたか。具体的に。「調査を行った」ではなく「1,243人の成人を調査した」。
- 結果(2〜3文): 数値。要旨が存在価値を発揮する部分。効果量、信頼区間、精度パーセンテージなどを含める。
- 結論・含意(1〜2文): 発見の意味。具体的な方向を示せないなら「さらなる研究が必要」は省く。
省くべき内容
- 引用。 要旨内の引用を許す投稿先はほぼありません。
- 未定義の略語。 普遍的に知られているもの以外はすべて綴り出します。
- 図表の参照。 要旨を読む段階では審査員には見えません。
- 埋め草表現。「本論文は〜を提示する」「近年」「〜が示されてきた」。すべて削除。
- 1文を超える方法論の詳細。 方法セクションのために残しておきます。
適切な長さの狙い方
上限の80〜95%を目指します。上限が250単語なら200〜240単語を狙う。これは改訂中に安全マージンを確保するためで、審査員が方法論の明確化を求めると要旨は必ず長くなります。初回提出時に上限に達していれば、もう動かす余地がありません。
下限側では、どの投稿先でも100単語未満は内容が浅いことを示唆します。短い要旨は著者が怠惰か、何かを隠している印象を与えます。仕上がりが上限の60%を大きく下回るなら、方法論か含意のどちらかを十分に記述できていない可能性が高いです。
提出前の最終チェック
アップロード前に要旨を 単語カウンターで確認してください。投稿システムは上限を1単語でも超えれば論文を却下し、却下通知では通常どのセクションが問題だったか教えてくれません。30秒のチェックで即日の再提出が回避できます。
要旨を声に出して一度読んでみます。読み手がつまずく文があれば、審査員も同じ箇所でつまずくでしょう。要旨は多くの人にとって論文の中で唯一読まれる部分なので、単独の成果物として機能しなければなりません。